gigabeat(ギガビート)と、再び会うことはなかったナカノさん

gigabeat(ギガビート)

フラッシュメモリ型のポータブル音楽プレーヤー『ギガビート』
フルネームも分からない、今では顔も思い出せない人から安くゆずってもらった思い出の品。

※写真はいつかの断捨離で捨てる前に撮影したもの

あれは19歳か20歳ぐらいの頃。

私はスケボーとスケーターファッションにハマっていた。そんな中、ある日スケーターブランドを取り扱っていたセレクトショップでナカノさんに出会う。
ナカノさんはお店に入ったばかりの店員さん。私より10歳ほど年上で、なぜか初めて会ったその日に話がものすごく弾み仲良くなった。いや、仲良くなったといっても会ったのは2回だけだった気がする。今思うと、それぐらいの時間しか共有してないことに驚く。

初めて会った日から数週間後

再びお店を訪れ、買い物がてら会話を適当に楽しんだ。それからお店を出て駅の方に歩いていたところで、私の背中をポンっとだれかが軽く叩いた。
後ろを振り向くとナカノさん。どうやらバイトの時間が終わったからとのことで「お茶でも行こうよ!」という話になった。

この頃に10歳ほど年上の人からお茶に誘われるというのは新鮮で、私は首を縦にふった。

いろんな話をした。彼は20代をずっとスーツを作る仕事をしていたらしい。当時結婚していた人と離婚して仕事を辞め、それからインドに旅立ち適当にブラブラと旅行をして、日本に帰り今にいたる。とのことだった。

家では絵をずっと描いてるとか言ってた。美容師の恋人がいて、とても可愛いとかも言ってた気がする。

それから音楽の話もした。私は学生時代にお遊び程度でバンドをしていたので、この頃は音楽が大好きだったんだ。
その話の流れだったのか、ナカノさんが持っていたgigabeat(ギガビート)の話になった。私は当時MDウォークマンのMDを何枚か持ち歩くスタイルだったので、そのたくさん音楽を入れられるシロモノに食いついたのかもしれない。彼はギガビートを2,000円でゆずってくれるという話になり、中に入っている音楽も興味があったので私はラッキー!と品を受け取った。

サザンが好きらしく全曲入っていたのを覚えてる。あとはブラック・アイド・ピーズの『エレファンク』とか。
おもしろい出会いだなぁとか思ってた。携帯番号は特に聞かなかった。
お店に行けば会えるし、そういう関係もいいじゃないかなと思ってた。

それから数週間後

再びお店に行くとナカノさんはいなかった。
彼女が妊娠したので就職活動のためにお店を辞めたと他の店員さんから聞いた。いまの時代だと個人情報でちょっとアレな気もするが、彼の状況をそう教えてくれた。

なんとなく寂しかった覚えがある。ナカノさんからするとそれどころではなかっただろうけれど、携帯番号ぐらい聞いておけばよかったかな…とか、いや…そういう距離感の出会いがまた良かったのかもしれないな、とか当時大学生だった私は思ったのかもしれない。

彼が吸っていたタバコのウィンストン(Winston)を思い出しながら、2019年現在はアイコスなどの電子たばこを吸っている人も多く「時代が流れるなぁ〜!」と感じる今日この頃です。

元気にしてたらいいなー!

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