もしも桃太郎がブロガーだったら

もしも桃太郎がブロガーだったら

昔々、あるところにブロガーのおじいさんとブロガーのおばあさんがいました。
おじいさんは検索流入を意識した記事を書き、おばあさんはsnsを使いながらトレンドネタやオピニオン記事を書いていました。

そんなある日のこと。「なにか良いネタはないかねぇ」とおばあさんが外を歩いていたところ、川上から桃がどんぶらこどんぶらこと流れてくるではありませんか。
「ブログの良いネタあった!写真を撮らないと!」と、おばあさんはスマホを取り出して撮影。川が写り込むようにパシャ。桃をアップにパシャ。自分の顔も入れてパシャ。
さあこれでブログに挿し込む写真はOKだわ!と桃を引き上げ家に帰りました。

家に帰るとおじいさんビックリ!さっそく「川 桃」とググります。

するとサジェストキーワードに「桃太郎」という候補が。いったいなんだろう。不思議に思いながらもUbersuggestで検索ボリュームを調べたりもしてみました。

検索ボリューム

そんな日常を繰り広げながらも2人はひとまず桃を切ることに。

パカ。

すると桃の中から男の子が出てきました。
2人は驚きながらもこの事態をすんなりと受け入れました。名前は「桃太郎」と名づけられました。こういう時は昔話っぽくテンプレに従おうというおじいさんなのです。

数年後。おばあさんの書いた『桃から生まれた桃太郎』という記事がバズったりgoogleアプデでおじいさんのブログが飛ばされたりいろいろありましたが、一家は平和に暮らしていました。そんなとき、twitterで桃太郎はある鬼の存在を知ります。

正確には鬼のアイコンをした鬼のようにブログを更新する鬼ブロガーです。
鬼の存在により桃太郎は執筆欲、闘争心、向上心、いろんな感情が芽生えました。彼は最近ブログを書き始めたのです。

桃太郎は言いました。「おじいさん、おばあさん。僕は鬼ブロガーを必ずや倒してみせます!」

「そんな倒すって…乱暴ねぇ~。」
2人は応援したい気持ちもありつつ心配。桃太郎は子供のころからスイッチが入ると周りが見えないところがあります。猪突猛進タイプ。興味のあることに真っ直ぐなのはいいけれど、身を滅ぼさないかしら──と。

「桃太郎や。ブログは一時的に検索順位で1番や2番が決まることもある。シェア数から数字が可視化されるところもある。しかし、それが全てではないんじゃ。人生いろいろ。
書く目的は収益だったり楽しいとかだったり頭の整理だったりホント人によってさまざま。広い視野でブログをみてほしい。」

と、言いたい気持ちをグっとこらえて「まぁ好きになさい。でも、ご飯は必ず家族で一緒に食べるんだよ。」と、おじいさんとおばあさんは笑顔でそう言って様子を見ることにしました。

時代によってブログは形を変え、環境によって得られるもの失うものなど多くを学んできた2人。桃太郎にもいろいろ感じてほしいと思ったのでしょう。
そんな桃太郎。
リビングの壁に「打倒、鬼!」と書いた半紙を貼りながらメラメラとブログ熱を燃やしていきます。

おじいさんとおばあさんは「やれやれだぜ…」と言いながら肩をすくめるポーズ。まぁこれも良い機会かもしれないと影ながら桃太郎を応援することにしました。

さて桃太郎。スイッチが入った彼は来る日も来る日もブログを書き続けました。
鬼の存在のおかげで彼の執筆能力は向上。部活のサッカーもレギュラー。彼女もできました。

また彼の活動を知りブロガー仲間もできます。

twitterでイヌのアイコンをしたブロガーから「桃太郎さん桃太郎さん。お腰につけた、きびだんご。一つ私にくださいな?」と話しかけられ、

桃太郎「え、なんの事ですか?腰?きびだんご?」

イヌ「ええ、昔話にそう書かれてあったんです。そう話しかけると友達になれると聞いて、物語上。ってかスミマセン突然にwwフヒヒ笑」

桃太郎「いえいえこちらこそスミマセン。上手く返事ができなくて。あら、あなたもブロガーですか!?」

そんなネット上での他愛もないやり取りをして、いつの間にかイヌ、猿、キジのアイコンをした人と仲良くなったりと桃太郎は人生を謳歌していました。
そして依然として鬼ブロガーの勢いはとどまる所を知りません。

桃太郎はブログにどんどんとのめり込んでいきました。しかし日に日におじいさんとおばあさんと会話する時間は減り、一緒にご飯を食べることもなくなっていきました。

そんなある日、事件は起こりました。
いえ、事件というと大げさですがブロガー界隈でほんの少しザワザワした出来事がありました。鬼ブロガーのブログが突然ネット上から消えたのです。

桃太郎「あれ?鬼さんどこに行ったんだろう?」
桃太郎は気になりました。 “打倒!鬼ブログ” と心の旗を掲げていたものの、桃太郎にとっては鬼は目標みたいなものだったのです。

桃太郎は探しました。
ドメインに使われている英数字をコピペしてネット上でググり、他に鬼が活動してそうなサービスがないか。googleキャッシュやウェブ魚拓Internet Archiveから鬼ブログの片鱗を探して消えた理由や痕跡がないか。
鬼がいないか、どっかにいないか捜しました。向いのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのに──と。

しかし、鬼は消えてしまった、本当に消えてしまった。そのことに気付いた桃太郎は思いました。
「そうか。ネットの付き合いも突然なくなるものなんだ。…いや、ネットだけじゃない。人は…いずれいなくなるんだ。」そんなことを思いました。アオハルなのか性格なのか、なんなのか分かりませんが彼はそんなことを思いました。

すると桃太郎、現実にも目を向けます。
(そういえば…。おじいさんとおばあさんが、ご飯は必ず家族で一緒に食べるんだよ…って言ってくれてたの…僕守ってないや。。僕は…なんて大切なことを忘れていたんだろう。ブログばかりに目がいってたよ。)

桃太郎は反省。家族との時間をないがしろにしていたことを、おじいさんとおばあさんに謝りました。

おじいさんは桃太郎に言いました。「桃太郎や、いろいろ学んだのなら、それでいい。しかし…ブログばかり書いていた時のおまえさんは、まるで本物の鬼のようじゃったぞ。」

おばあさん「桃太郎は心の中にある鬼を退治できたのかもしれないね、ほっほっほ。」

おじいさん&おばあさん「はっはっは」

その日、桃太郎はおじいさんとおばあさんと久しぶりに一緒にご飯を食べました。
そしてお腹いっぱいになり、心もお腹も満たされて寝る事にしました。寝る前、フト鬼のことが頭をよぎりました。(…鬼は、僕に大切なことを教えてくれた。どこかで幸せに暮らしてるといいな。)そんなことを考えながら桃太郎は寝ました。

桃太郎の幸せそうな寝顔を見て、おじいさんとおばあさんはニッコリ。そして自分たちの使っているパソコンを立ち上げ、保存されている鬼のアイコンを消しました。
(鬼退治、完了。)
めでたしめでたし。

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